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新型コロナウイルスの問題は、予想以上に牛肉需給に深刻な影響を及ぼしている。例年、この時期は送別会や花見需要があるものの、基本は出費増で節約志向が強まるうえに、出荷頭数も増えるため、牛枝肉相場も前月から大きく値が変わることはない。

だが、今回は2019秋以降、外食での消費が伸び悩むなか、新型コロナの影響で需要を下支えしていたインバウンド需要が停滞し、観光地のホテルや外食関係の需要が悪化している。新型コロナ渦の収束の目途は不透明にあり、すでに業界内では3月、4月の商売は諦め、ゴールデンウィークの時期にまで影響が続くのか否か不安視している状況だ。

スーパーなど小売りは堅調といわれているものの、自粛ムードと節約志向の高まり、休校などで、簡単に調理できる小間切れや切り落とし、あるいは単価の安い畜種や加工食品にシフトするとみられる。相場の上げ材料は乏しいため、3月の枝肉相場は和牛、交雑で200円以上、乳雄で100円ほどの下げが予想される。

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農畜産業振興機構の牛肉需給予測によると、3月の成牛出荷頭数は8万3,300頭(前年同月比0.4%減)、このうち和牛は3万5,700頭(同0.9%増)、交雑種1万8,600頭(同4.6%減)、乳用種2万7,600頭(0.6%増)と見ている。家畜改良センターの個体識別情報の1月末の肉用牛の飼養頭数では、3月に出荷適齢を迎える26~28カ月齢の黒毛和種の飼養頭数は前年比で5.5%多い。

もともと3月から4月にかけては出荷頭数が増える傾向だが、市場関係者によると、昨年末の市況悪化を受けて、一部では春先需要を当て込んで出荷を控えていた肥育経営もあるという。ただ、先行き不透明感と年度末ということで、換金売りの動きが強まってくることも予想され、機構予測を上回る可能性もある。

一方、機構の需給予測では、3月の牛肉輸入量はチルドが2万1,200t(前年同月比5.3%減)、フローズンが2万2,500t(同34.0%増)としている。フローズンは前年が少なかった反動で3割増となっているが、平均よりは少ない水準だ。

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新型コロナによる不安感・自粛ムードが一段と強まったことから末端需要はさらに悪化しつつある。とくに地方の外食・ホテル関係や関連の業務卸筋などは厳しい状況に置かれており、「定期分含めて発注のキャンセルが増えている」(関東の卸筋)状況だ。

部位では、スネやモモ、ウデといった小間切れ、切り落とし用は若干、動いているものの、ロース、ヒレ、カタロースは深刻な状況。バラも需要期に向けた仕込みの手当てが出ているが、例年よりスタートは遅れている。とくにロース、カタロースなど高級部位は、折からの末端不振に加えて中国向け輸出解禁の期待で在庫が積み増してきたなか、インバウンド需要など受け皿がなくなったことで、深刻化しつつある。

しかも決算期のため、冷蔵庫の余裕がない企業では、逆ザヤを承知で在庫をはく動きがさらに強まりそうだ。例年ならば、月末にかけてお花見需要、卒業・入学シーズン需要の手当て買いが出てくるものの、今年はこれら好材料を見つけることが困難な状況だ。

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2月の牛枝肉相場(東京市場)は、和牛の3等級、4等級を中心に予想以上の下げとなった。3月は需要の見通しがつかないなかで、買い気は一段と低下するとみられ、相場もジリ安の展開と予想される。

頭数が少ないホルスや和牛5等級は品質の良いものはある程度価格を維持しそうだが、その他は安値推移となりそうだ。このため、現時点での月間平均は、和去A5で2,500円前後、A3で1,700円前後、交雑B2で1,100円前後、乳雄B2で900円前後と予想される。

〈畜産日報2020年3月6日付〉